一言で言えば厨二病こじらせた人にはうってつけの戦争モノ
1巻だけである程度話がまとまっているため、「試しに1巻だけ読んでみよ〜」のスタンスで読んでOK
少々くどい文で書かれているので2巻以降は1巻を耐えた人が読み進めればいいと思う。
dengekibunko.jp
主人公レーナやシンが所属するのはサンマグノリア共和国。隣国の帝国と絶賛戦争中です。
この国は肌が白系の人種が主権を握っており、彼らは有色人種を差別し人間扱いしてません。
白系人種の主人公レーナは司令官として有色人種のシンは戦闘員として活躍します。
シン率いるスピアヘッド戦隊は無人機扱いされた戦闘機<ジャガーノート>に乗り戦います。つまり人とすらカウントされていません。
消耗品扱いされながらも生き抜く彼らに圧倒されます。
人ではなく物扱いの彼らとレーナが取り合うコミュニケーションは知覚同化器具を通すのみで、会話がメイン。対面ではありません。
レーナは顔も名前も分からないままリーダー格のシンと連絡を取り合います。基本的にはレーナが指示、スピアヘッド戦隊が動く流れです。
彼女自体に悪意はないものの、ないからこそ現状把握の乏しい面が悪目立ちし、スピアヘッド戦隊の一部からも指摘されます。
それでも諦めずに食いつくのがレーナの良いところ。人格者な主人公で良かった。
しかし戦況は悪化していき、スピアヘッド戦隊はどんどん戦死者が出ます。
隊員数が一桁台になりいつ消滅してもおかしくない状態のスピアヘッド戦隊を処分するため共和国のお偉いさん方はは彼らを死線に追いやります。
リーダー格のシンがやられそうになり絶望の漂う中レーナが助けに来ます。彼女の有能振りに惚れてしまう瞬間です。
力はなくとも頭を使って戦う司令官としての彼女が素敵でした。終盤以降ワクワクする展開が多くてお腹いっぱい。
シンは因縁の相手を見事倒し生き残ったスペアヘッド戦隊員は自由の身を得ます。シンは行けるところまで先に言ってるとレーナに伝え、ここで彼らとは別れることになります。
時が流れ共和国は自滅します。敵対していた帝国も滅びギアーデ連邦配下でレーナは諦めずに奮闘し大佐へ昇格しました。彼らに辿り着く目的があったから頑張れたのでしょう。
故郷から離れ新たな任務に就くレーナの元にはかつて共に戦い抜いたスピアヘッド戦隊の生き残りの姿があるのでした。
燃え尽きたと思っていたレーナは彼らと再会を果たします。今度は声ではなく対面で。
最後の最後で
出会えなかったボーイミーツガールがやっと出会えたボーイミーツガールになった
というわけです。最後は泣けました。
蛇足になりがちな恋愛やBL百合要素を挟まず消耗品の彼らとレーナの関係性を前面に表現していたため話に集中できました。
ラノベにもちゃんと話を読ませようとする作者っているんですね〜。びっくりしました。まあラノベに偏見持ちすぎかもしれないけど。
現在2巻目を読んでいます。1巻目の流れが早かったのでやや鈍化した感じですね。また気が向いたらカキコしにきます。
- 作者: 安里アサト,しらび,I-IV
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/02/10
- メディア: 文庫
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